値段のつけ方
例えば、
「定価20,000円で買った本なのに、何故、買取額が1,500円なの?
どうせ、4,000円くらいで売るんでしょ!」
という、実際に起りうる事例で古書籍業者の値段の付け方を
見ていきたいと思います。
(希少価値のある本に関しては後半以降でご説明しています。)
●まずは前提として…。
定価20,000円の本は、お客様が買った地点で中古品=古本となります。
20,000円という「お金」は「本代」に変わりましたが、「古本」が今度は
「何にでも使えるお金」に変わるには相当な意味付けや理由が必要です。
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いろんな条件(買ってからの日時、キズや汚れ、情報の鮮度)が関わって
ようやく何にでも交換価値をもつお金に変われるのです。
あなたの持つ本がお金に変わるというのは実はすごいことなのです。
●市場価値や相場についての知識
2万円の本でも出版が多過ぎて市場にたくさん出ている(供給過多)の
本はほとんど価値がありません。(例:百科事典など)
その「たくさん出ている分野かどうか」を東京古書会館などで行われている
「市」(いち=野菜市場のようなもの)において、古書籍業者は眼力を鍛え
ているため、価値を見極められ相場を判断できるようになっているのです。
本はまさに生鮮食品に似ています。
例えば臨床医学の本は、どんどん情報の価値が廃れてしまうので相場
がすぐ崩れます。3000円の教科書もすぐ0円になってしまうのです。
古書の市場や地域での相場があって、また、買取人の経験とビジネス
感覚でようやく1,500円と買取価格がつくわけなのです。
●1,500円の妥当性はどこにあるのか?
1,500円で買って4,000円に値段を付けて店で売るためには、まず、
| 1、本に書込みがないか確かめ、綺麗にしなければいけません。 |
| 2、その本を置く場所を用意しなければなりません。 |
| 3、本をコンピューターに登録し、在庫管理しなければなりません。 |
| 4、毎日ハタキをかけ、売れるように工夫しなければなりません。 |
| 5、いつまでも売れ残ったら値段を変えなければなりません。(登録も) |
| 6、売れなかったら有料の廃棄処分をしなければなりません。 |
7、以上に係わる、【人件費】【管理費(光熱費や場所代、処分代)】
を払わなければなりません。 |
以上のような手間や経費、リスクを背負うのを覚悟で値段が決められるのです。
ディスプレイできる商品は売れ筋のみです。売れなければただの在庫です。
お客様から本を買った地点から、【人件費】【管理費(光熱費や地代、処分代など】
そしてなにより、他にもし売れるはずの商品があったのに扱えなかったという
【機会ロス】が生じているのです。
つまり、4,000円に売値を付けるのは、すべて儲けというのではなく、リスクへ
の保険という意味合いと、経費という意味合いが含まれているのです。
以上がセカンドハンド、古本に関する値段のつけ方です。
●「化ける」という業界用語をご存知ですか?
古書業界には希少価値のある絶版本や署名入りの初版本などは、定価より
高くなる場合が多いです。(もっとも昔の定価は今の価値と違いますけどね。)
1,500円で買ったのに20,000円になった。なんてこともありえます。
その差が大きいことを「化ける」というのですが、化けることは本当に稀です。
=#000033 size=2>お客様の持っている本が化けたら嬉しいですよね。
でも、それを期待しすぎてしまうと、古書業者が付ける値段に納得がいかなく
なってしまいかねません。
そのため、
化けると確信を持つため、まずご自分でお調べすることをお勧めします。
お客様もご自分のお持ちの商品の価値(←値段だけではありません!)をある
程度判断できていれば、コミュニケーションはまずうまく行くことでしょう。
市場性がわからず、ただこだわりや愛着だけで高がっているといつまでも
話は進まず、お互いが嫌な思いをすることになります。
●買取値段についてのお願い
最後にお客様にお願いがあります。
どうか専門家である古書業界の買取の値段を信頼してください。
もし信頼ができないようでしたら、ご自分でお調べになって【市場価値】を
把握されてから、本を売るか売らないかを決めてください。
なぜなら、本を処分される際に、安く査定されるのでは?と疑心暗鬼になると、
嫁いでいく本たちのせっかくの晴れ晴れしい買取の現場が暗いものとなって
しまうからです。
あなたやあなたの身内の方と一緒に過ごしてきた書籍達を、どうぞ気持ちよく
見送ってあげてください。
そのお手伝いができるのは、私達だと信じています。
古本屋と古書籍業の違い
古本屋はセカンドハンドで、定価以下になる廉価本を主に扱い、
古書籍業は、骨董価値・希少価値のある稀購本(レア物)や掛軸、
浮世絵などを扱うという違いがあるのではないかと思います。
実は、明確な違いや定義というのは存在しないのですが、いろいろ
な人から聞いた古書籍業と古本屋とのちがいを対比表にしてみました。
古書籍業 |
古本屋 |
専門書・学術書、浮世絵・掛軸など
骨董価値のあるモノを扱う |
セカンドハンド(中古)の廉価本を扱う |
| 古書組合に加盟して商売をしている場合が多い |
地元のみやチェーン展開をして商売をしている |
| 組合の市場があり、勉強会も開かれている |
バイトさんでもわかる相場表がある |
| 値段が化ける場合がある |
値段は定価より低い場合が多い |
| 古書や古物を流通させる仕組みが多様 |
流通チャンネルが少ない |
| 文化的なイメージがある |
商業的なイメージがある |
あなたのお持ちの本はどちらに持っていったら良いと思いますか?
セカンドハンドの本(文芸書、文庫)など出版部数が多くて新しい本でしたら
地元の古本屋さんにお持ちいただいたほうがよろしいかと思います。
本郷や神保町ではほとんど買い取りはしないと思って間違いありません。
また、お近くにチェーン展開しているブックOフさんなどにお持ちいただいても
よろしいかと思います。
ただ、文化的に価値があり、希少価値のある本は古書籍業にお持ちいただいた
ほうが高値で買い取る場合がありますし、文化的伝承に貢献できることでしょう。
例:
「次のリストを持っているんですが、どちらに持っていったらよいでしょうか?」
1、司馬遼太郎などの歴史本
2、政治経済の本
3、エッセイ、小説
4、紀行本、料理本、ハウツー本
5、美術カタログ、週間雑誌
6、子どもの絵本、童話、百科事典
7、教科書や参考書
8、文学全集
など、発行部数が多いと思われるものは地元の古本屋さんに
お持ちになられてはいかがでしょうか?
1〜8までの分野は、弊社では扱いません。(=処分料がかかります)
ちなみに、弊社の取り扱い分野はこちらになります。
大山堂書店は古書組合加盟で、あなたの蔵書を本当に読みたい人へ
文化的に伝承するお手伝いをさせていただいております。
最後まで読んでいただき有難う御座いました。
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